頭に空間をつくる
こんにちは。Beauty air Yukiの川端由起です。
あるお客さまが施術の間、
ずーっとしゃべり続けていらっしゃいました。
『話す』ことは、『排泄』とも言われ、
いらない思考や感情を言葉として外に吐き出すことで、
心の中を浄化する効果があったり
頭の中が整理されたりするので、
その方に必要と感じれば、
そのまましゃべり続けていてもらうこともあります。
でも、先ほどのお客さまからは、話すことを楽しんでいるというよりは
『静かな時間は無意味でもったいない』といった
『せわしさ』が伝わってきました。
目を閉じることなくキョロキョロさせて
『あの照明って、どこで買ってきたんですか?』
『あの絵は自分で描かれたんですか?』など
常に情報を目から耳から、どんどん取り入れていらして・・・
お話を伺っていると、休日ともなれば
ジッとしているのがもったいなくて、1日の内にいくつもの予定を入れ込み、
たとえば、お昼にお友達とランチの予定を入れたとしても
その前後も空白を作らないようにしていらっしゃるとか。
午前中はテニスに行き、ランチの1時間半後には歯医者さんの予約を入れ
夕方からはコンサートに・・・といった具合。
移動の時間をギリギリで設けているため
『料理が出てくるのが遅かったから、最後のお茶が飲めなかった』
『コンサート会場までの道が混んでいて焦った』というように
せっかくの楽しいことも、タスクをこなしているといった感じで
いつも時間を気にしながら、気持ちは次に次にと向かっているようでした。
寝る時は、布団の中でまどろむといったこともなく
スイッチが切れたかのように眠りに落ちているご様子で
『寝つきはいいの』と、睡眠に何の問題もないようにおっしゃられるけれど
実は、バタンキューと寝てしまうのは、それはもう意識を失っているのと同じ。
身体が『スイッチを切らない限り休んでくれない』と思っている証拠なんです。
私の父が、フィッシャー症候群というものにかかったことがあります。
景色がマーブル模様にグルグルと入り乱れて見えるので、気持ちが悪くなり
少しの間でさえ目を開いていられず、目をつむったまま過ごす状態が半年くらい続きました。
医学的には、そのような症状に見舞われたのには、
何らかの病原体が原因であると診ます。
でも、ある方に
『限界を感じて、身体が自らスイッチを切ったんだね』と言われた時には
妙に納得しました。
父はとても几帳面な性格で、『キチッと』『ちゃんと』が口癖でした。
言葉は、たとえ誰かに言っているのだとしても
まず一番先に聞くのは、自分です。
つまり、『キチッと』『ちゃんと』と言い続けることで、
自分に対して、いつもプレッシャーをかけ続けていることになり、
その状態が苦しくなった身体が、
ついに、目を開けられないようにしてしまったということ。
見えなければ、状況がキチッとされているのか知る由もないですし
自分でキチッと整えることも出来ないですから・・・
『諦めて受け入れること』を、
その症状によって、父は教えられているように感じました。
身体は、普段からいろいろなメッセージを送り続けてくれています。
でも、その声を聴かなかったり、聴こえないようになっていると
どんどん症状を重くして、必死になって訴えてきます。
施術中もしゃべり続けていた方の身体を触ると、足先が氷のように冷たくて
身体が鋼で出来ているかのように、カチカチに硬くなっていました。
これは、いつも頭を使いすぎているために血が上に上って
足先が冷たくなっていること、そして、
身体に力が入りっぱなしで
『戦闘態勢』でいることを教えてくれています。
それは、アドレナリンが過剰に分泌されている状態。
初めのうちは集中力ややる気が増して、パワフルに動けるかもしれません。
しかし、この状態が長く続けば、エネルギーが消耗し、抵抗力が弱り、
結局、心身ともに病んでしまうことにもなりかねません。
今のうちに、身体も心も深く癒され、内側に静けさを取り戻す必要があると感じたので
しばらくの間、口と目を閉じてもらって、
私のマッサージの感触に気持ちを向けてもらうことをお願いしました。
『腹八分目がいい』と言われるのは、
胃に空間があると、活発に動いてくれるからです。
食べ過ぎて胃の中に物がパンパンに詰め込まれると、
胃壁が伸びきって、うまく伸縮できず
食物と胃液とがきちんと混ざり合ってくれません。
空間を持たせた方が、胃もリズミカルに動いてくれます。
すると、消化器系に負担をかけずにスムーズに消化・排泄されていきます。
脳も同じで
思考で頭の中をパンパンにすると、
司令の回路が混乱し、乱れ、身体に負担をかけてしまいます。
頭の中に空間を持たせれば、
サクサク動いて悩みや問題・ストレスが解消されていくように出来ています。
気力だけで、無理やり自分を動かしていくのではなく、
心身を休めて頭に余白をつくれば、
もっと起こる出来事を楽しめる余裕が生まれます。
頭が忙しくて、自分の身体が発している声が聴こえなくなっている方の代わりに
私の手が、その大切なメッセージを丁寧に聴き取ります。
受け取った声をお伝えすると、純粋に心に響かれたようで、
ご自身の身体をさすりながら『宝物です』とおっしゃられた方がいらっしゃいました。
その瞬間をともに過ごせることが、本当に嬉しいです。
今からお越しくださるお客さまの身体からは
どんなメッセージが届けられるか、とっても楽しみ!
最後までお読みくださいまして、本当にありがとうございます。